令和4年夏季企業訪問②

令和3年度卒業生 舟 根 希 来 さん

 

 株式会社北栄ファームはセイコーマートの農業部門を一手に担う農業法人。北海道に6カ所、茨城県に1カ所、計7カ所の農場を所有している。舟根さんは、夕張郡長沼町にある長沼農場に勤務している。この農場では広大な畑でトマト、きゅうり、なす、馬鈴薯、長ネギ等を栽培している。

 この日は、たいへん日差しの強い日で、作業着姿の皆さんは、腰にファンの付いたベストを身につけていた。暑い日のハウス内作業には欠かせないという。

 太陽が頭の真上に昇る午後の仕事始めの時間、とても明るい笑顔の舟根さんが作業着姿で現れた。

「さぁ、これから仕事だぞ」という緊張感を纏っているのが、彼女からひしひしと伝わってくる。

舟根さんの話によると現在はきゅうりの収穫が最盛期を迎えているという。現場での舟根さんはほとんど手を休めることがない。きゅうりの収穫用トレイを軽トラの荷台に積み込み、積み終わるとすぐ軽トラを運転し、いくつものハウスにトレイを配備する。しばらくして戻ってくると同僚と打ち合わせ、その後ハウスの中できゅうりの収穫をはじめた。こういう仕事に対する真面目さは、高校生時代から変わらず、立派だなと思う。

 舟根さんは野菜の成長を見守ることにやりがいを感じている。自分にはまだ子供がいるわけではないがとことわりをいれつつ、子供の成長を見守るのと同じような喜びを日々得ているという。野菜へ愛情を注ぎ込む舟根さんの姿が目に浮かぶ。

 また舟根さんが現場で大切にしていることは、コミュニケーションだ。年齢層様々なパートさんたちを束ねる立場にあるため、普段の何気ない会話も大切にしているという。仕事上の信頼関係は一つひとつのコミュニケーションの上に成り立っていることを舟根さんは力強く語ってくれた。上司の横山さんも舟根さんの人柄とリーダーシップを高く評価してくれている。

 最後に遠別農業の後輩へ次のようなメッセージをくれた。

 面接練習を早めに始めて、しっかりやること。

 挨拶や礼儀を身につけることはもちろんのこと、人に自分の思いを伝えたり、物事を説明したりすることは社会では当たり前のようにあるし、また時には人間関係において困難を感じることなどもあるのだから、社会で生きるための準備として、コミュニケーション力をできるだけ身につけておいたほうがいいということだ。舟根さんの実感からくる貴重なアドバイスだ。

文:岡崎